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カントリーエッセイ
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2003/02/22号
K夫妻とおひなさま
私の知り合いのK夫妻は ”カントリー”という言葉が定着するずっと以前からカントリーライフを送っている。
ウィンナーやベーコンを手作りしたり、玉ねぎの皮で毛糸を染めたり、庭にはハーブが植えてあって、 気軽に料理に使ったり お風呂に浮かべたり・・・
K夫妻のお宅へお邪魔するたび、いろんなカントリーを体験できて、毎回楽しみだった。
そんなK夫妻のおうちには、和洋問わず たくさんのお人形が飾られている。
特別集めているといった様子はなく、大事に大事にしていると、お人形の方からやって来るという。

ある日のこと。
ご主人がふと立ち寄ったフリーマーケットの一角で、古いトランクが目に止まった。
外はボロボロ・傷だらけ。
トランクとしてはもう使えないかもしれないけど、どこか味わいがあって思わず買ってしまったらしい。
家に持ち帰って、何気なく中を開けてみた。
すると、なんとトランクから これまた古い古いお内裏様とおひなさまが、二人仲良く出てきた というのだ。
「普通ね、カバンを買う時って必ず中を開けてみるだろう?
なのにあの時はどうして中を開けなかったのか、今でも不思議でしょうがないんだ。
きっと、この家に来たかったんだろうなあ。」と、ご主人が話してくれた。

私の家にも 雑貨屋さんで買ったり、いろんな人にいただいたドールが、何人かいる。
みんなあのおひなさまと同じように、縁あって私のところへ来たドールばかり。
ドールを作った方の思いも一緒に、いつまでも大切にしようと思う。

3月3日はひな祭り。
長い間お会いしていないK御夫妻のことを ふと思い出した。


ふーか



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