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カントリーエッセイ
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2004/02/28号
グレーのコート
巷は冬物商品の最終バーゲン開催中。
かねてからグレーのロングコートが欲しくて、機会があれば探しに出掛けていますが、なかなかこれと思うものに出会えません。
この冬一枚だけ、これだったら〜というコートをやっと見つけたのですが、ハンガーからはずす途中で、思わず手が止まってしまいました。
そのコートには、なななんと真紅色の裏地がついていたのです。
流行のないデザインで、上質のカシミヤを使ったグレーのコートに赤の裏地・・・??
二枚仕立てで何か手作りするとき、表の布選びよりも、それにしっくり合う裏(中)布を選ぶ方に、より時間を費やしたりしませんか?
バックだったら、お財布やハンカチを取り出す瞬間。
ランチョンマットだったら、友だちとお茶しながらおしゃべりしているときに、何気なく角(かど)をめくったりする瞬間。
記憶には残らないけれど、これらの一瞬のために これでなくっちゃ!という布をカップリングしたいといつも思います。
グレーのコートも同じです。
身にまとっている時間と同じくらい、脱ぎ着する場面を大事にしたいから、出会いはまた次ぎの冬まで待つことにしました。
ふーか
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