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カントリーエッセイ
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2004/03/06号
やさしい影
1日のいろんな場面で 春の気配を感じ始めました。
買い物途中の道端とか、スーパーの食品売り場で・・・
日照時間も少しづつ長くなってきて、冬特有の寒くて淋しい夕暮れの風景が遠のいていくようです。
わたしは冬が苦手です・・・が そうは言いながら、お天気の良い冬の日の午前中を、毎日楽しみにしています。
それは太陽の光が部屋の奥まで差し込んで、壁や床にやさしい影を浮かび上がらせる大好きな時間です。
この影の表情をもっともっと楽しみたくて、南向きの窓のカーテンはすべて ガーゼのような綿100%のレースにしました。
カーテンレールにリースや小さな雑貨を吊り下げると、透き通るような美しい影が映し出され、まるでモノクロ写真を見ているようです。
太陽が雲に隠れたり、また顔を出したりするたびに、陰影が変化するさまは、映画じゃないかと思う時さえあります。
あ〜あ まだ仕事が片付いてないのに、また今日も遊んでしまいました。
祖父母が生きてきた そう遠くはない時代。
まだまだ暖房器具も充実してないあの頃の寒さは、いかばかりだったでしょう。
いくら寒くても、わたしみたいに<冬は嫌いだ〜>なんて のん気なこと言ってる余裕は なかったでしょうね。
それでも家の中で、繕(つくろ)い物をしたり台所仕事をしている合間に、すーっと太陽の光が差し込むその瞬間、手を止めて影に目をやりながらホッとしていたんじゃないかなぁと ふと考えたりします。
ふーか
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