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カントリーエッセイ
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2004/08/28号
夏の夜の夢

8月24日火曜日。
20時10分。
岡山発新大阪行きの<こだま号>に乗車。

<こだま号>に乗るのは 実は生まれてはじめて。
利用するのは もっぱら<のぞみ>か<ひかり>。
<こだま>しか止まらない駅で降りる用事が今までなかったからだと思う。
ところが今日はあいにくどちらもこの時間帯はすべて満席。
(しまった!やっぱり予約しておけば良かった。)
改札口を足早に通っていくサラリーマンたちを横目で見ながら、仕方なく<こだま>の指定席券を買う。

<こだま>だと岡山駅から新大阪駅まで、所要時間は1時間15分。
座席に座るやいなや、さっき駅の売店で買った雑誌を読み始める。
思いがけなくわたしの大好きなひとの<お家特集記事>が載っていて、すぐさま現実の世界から離れてしまっていた。

どれくらいたっただろう。
ふと我に返って、頭を上げる。
静かだ・・・
「お寒くはないですか?」
突然後ろから声をかけられて思わず振り向くと、車掌さんが立っていた。
「はい!そう言えば・・・」
慌てて返事をしてのち、はたと気がついた!
(この車両、わたしひとりだ!)
車掌さんが前の車輌へ移ったのを見届けて、一番後ろの座席へ行ってみる。
誰もいない!
一番前の座席に行ってみる。
やっぱり誰もいない!!
窓の外は真っ暗で、いま何処を走っているのかすぐにはわからない。
不思議な感覚におそわれて、思わず大声を発した。
「銀河鉄道999みたい・・・」

ケータイで友達にメールしようかな?
わたしのために、冷房を切ってくれたよって。
となりの車輌に誰か乗ってるか見に行ってみようかな?
だ〜れも乗っていなかったりして。
いろんなことを思いついては、打ち消した。
(そんな野暮なことやめとこう!)

<銀河鉄道999>は 定刻どおり21時25分新大阪駅に到着。
つかの間の夢の旅を終えて、足早に駅を後にする。
明日もわたし頑張れそうだ!


ふーか



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